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乱れたシーツをそれなりに戻して、大和くんの腕に抱かれてベッドに横になった。
セックスが終わった後なのに、この人は優しい。私が知っている体だけ求めたがる男は、たいてい終わってしまえば、抱きしめて眠るなんてことはしなかった。自分が3分の2ぐらいベッドを占領して眠っていた。
「体、痛くない?」
「平気。」
ほら、こういうところとかも。
「有栖さん、明日ってか今日、仕事だよね?」
「うん。でも遅番だから。12時半までに仕事場に行けばいいから。」
「それならええけど。ゆっくり寝て。目覚ましかけとくし。」
昨夜のケガの手当てをしてくれた時と同じように、頭をいいこいいこされる。そんなことされると、我慢できなくて彼の背中にぎゅっと腕を回した。
「おやすみなさい。」
「おやすみ。」
果てるまでセックスをして、朝の6時に眠りに就くなんて。今から仕事に行く支度をする人もいるのに、なんだかちょっと罪悪感だ。
でも、そんな罪悪感を払拭してくれるぐらい大和くんの腕の中は心地が良くて、目を閉じたらすぐに深い眠りに就いていた。
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