二度目の後はまた会いたくなる

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二人目は専門学校から社会人成り立てぐらいまでは付き合っていた。普段はすごく優しくて弱い人の味方になるような人だったのに、自分の約束を優先させないと、手をあげる人だった。バイトが終わったら必ずいの一番に連絡することや、他の男と二人では出かけないことなど決まりがたくさんあって、少しでも逸れたらひどく怒鳴られた。 別れる時も大変だった。殴られて、それでも「別れる。」って言ったら、その頃一人暮らしをしていた家に何度も来た。離れたいのに離れられないジレンマの中にいたら、私の知らないところでつばさが、「有栖ちゃんが大変だ。」と父親に言ってくれていて、警察官の親戚を連れてきてくれた。そして、「彼女には金輪際近付くな。」と警察手帳を見せて言ってくれお陰で、彼とは縁が切れたのだ。 三人目は研究一筋のようなヤワな男だった。多分、前の反動だったのだと思う。虫一匹殺せないような人だった。バイトもしていなくて、食事もたいして食べていなくて、服もいつも同じ服で、心配だったので色々と買ってあげたものだ。 最後に言われた言葉は「俺にもプライドがあるよ?有栖ちゃんは、自分が働いてバリバリ稼いでいるのを俺に見せたいの?」だったように思う。
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