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朝、僕はいつものようにあいつを見つけた。
ゆらゆら揺れているポニーテール、いつもの青い鞄、なにより、辺りに微かに広がるホットドッグの香り。
きっとまたいつもみたいに、うまそうに食べるんだろうな。
B「なぁ、またホットドッグ?」
A「あ、おはよ。当たり前よ!これがなくては一日は始まらないのよ」
あいつは僕の方を振りかえって言った。
大きなリボンで結ばれた髪がふわりと広がる。
それを眺めつつ、僕はあいつにまた話しかけた。
B「それ食べたら、今日はどこいくんだ?」
A「これを食べたら?そうね、今日は街の大通りまで行って、新しいリボンを買うか、髪を切ろうかと考えてて……」
B「え。そうなんだ」
僕は手をポケットにつっこんで、あいつの隣に並んだ。
それを不思議に思ったのか、あいつは少し首を傾けて言った。
A「あなたはどこにいくの?」
B「…………僕は、お前と同じ。買い物」
A「お買い物?何を買うの?」
B「いや…………別に……。そうだ、買い物付き合ってよ。その方がいいもの買えそうな気がする」
あいつは、一瞬不思議そうな顔をした。
けれどすぐに微笑んだ。
A「いいわよ。これを食べてからね」
B「もちろん」
雪が太陽に照らされて、ちらちらと輝いていた。
僕は必死に、あいつには何色が似合うだろうかと考えていた。
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