英雄の帰還

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英雄の帰還

「びっくりした!なんでここにいるの?」 「戦争が終わるっていう報告に、さ」 彼は幼馴染。 私達の村は戦争で焼かれた。 両親と弟を失った私は、祖母を頼って遠く疎開先に避難していた。 ここはまだ戦火を免れて、平和の象徴である白い鳩もいるし、名物のバーミードッグも食べられる。 でも、彼は家族を失い、村一番の運動神経の持ち主だったから、兵役に駆り出された。 その彼が、上着のポケットに手を突っ込んだまま、目の前に立っている。 眩しく見えるのは逆光のせいかな?それとも……? 「いつか、バーミードックを一緒に食べたいって想ってたんだ」 「ありがとう。でも俺、犬肉食べるのは抵抗あるなぁ」 「ばか、いつの時代の話よ。……手紙届いてたんだ?」 「え?」 「だって、届かないと想っていたから……」 堪え切れず、涙が頬を伝う。
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