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告白から今日で1週間。
未だ返事は来ていない。
もう忘れちゃったかな…。
不安が頭の中をグルグル回る。
どうしても聞きたい。
けど聞く勇気が出ない。
前の気力はどうしたと思うほど、今の日葵に力はない。
ピンポーン。
夏芽家のインターホンの音が鳴った。
奈緒かな?
日葵は一瞬そう思う。
しかしドアの前に立っていたのは一樹だった。
一樹は私服で立っている。
確か今日は火曜日。
平日だから学校はあるはずだ。
日葵「お、おはよう…。なんで私服なの?」
一樹「今日休むから」
日葵「なんで?用事?」
すると一樹は首を横に振り、日葵の目の前に来た。
一樹「着替えろ」
日葵「え?」
私は今制服を着ている。
着替えるって…何に?
疑問をいだく日葵に一樹はため息をつき「早くしろ」と日葵を家に押し込んだ。
日葵「えっ、ちょっ、何に着替えんの?!」
一樹「私服だ」
日葵「はぁ~?」
一樹「早く。リビングで待っていいか?」
あきれた顔で首を縦に振った。
謎の疑問をいだきまくりながらも自分の部屋で1番お気に入りの服に着替えた。
リビングにいる一樹はモアンモアンと不安が頭に浮かんでいた。
一樹がしようとしていた事、それは。
日葵とデートする事だった。
自然な流れで遊園地に連れて行こうとしていた。
親は今日2人共出張でいない。
金はばあちゃんがくれた。
なんとしても成功してみせる!
すると、タッタッタっと階段を降りてくる音がした。
ガチャッとリビングのドアが開き、日葵がリビングに入って来た。
エメラルド色のカーディガンにピンク色のワンピースだった。
その姿に一樹は見惚れていた。
日葵は少し首をかしげて一樹に話しかけた。
日葵「一樹?」
一樹はハッとなって答えた。
一樹「に…似合ってる」
顔を真っ赤に染めて一樹は言った。
そういえば忘れてた。
一樹の返事を聞きたい。
でも、「返事教えて」って言う勇気が出ない。
どうしよう。
でも聞くしかない…よね。
日葵「…っ」
言葉が詰まって出てこない。
これじゃダメ。
勇気をふり絞らなきゃ。
日葵ギュッとこぶしをにぎりしめた。
爪が手のひらに食い込む。
日葵「い…一樹っっ!!」
一樹「な、なんだよ」
日葵「……返事…聞かせて…」
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