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そして、一樹と日葵は1枚ずつ名刺をもらい、「興味があったらこの電話番号にかけてください」と言われた。
その後、花小泉さんは、一樹達の反対方向に歩いて行った。
一樹「お前やんの?」
日葵「…やりたい」
一樹は目を見開いて言った。
一樹「はぁ?!本気で?!」
日葵「ダメなの?この事務所ニセモノじゃないよ?私が買ってる雑誌の事務所だもん」
一樹「俺はやらねーぞ?」
日葵「うん。やらなくていい」
その言葉にカッとなり、一樹は、
一樹「じゃあやってやるよ!!」
と言ってしまった。
日葵は嬉しそうに言った。
日葵「え?!本当に?!やった~!」
一樹(あ…やべ。言っちゃった。でも嘘だって言ったらコイツ悲しむし)
その後、日葵の気分は急上昇し、一樹の気分は急低下した。
ー桧山家ー
桧山家では、一樹の両親が共働きだから、いつも一樹は家で1人。
今日も一樹は1人でテレビを見ていた。
すると、ピンポーンと桧山家のチャイムが鳴った。
一樹(いつもは誰も来ないのに誰だ?)
一樹が玄関のドアを開けると、日葵が半泣き状態で立っていた。
日葵は「一樹ぃっ!」っと言うと抱き着いて来た。
日葵「助けて!」
一樹は夏芽家に行くと、リビングに3体のゴキブリと2匹のムカデがいた。
こんなに大集合するのは初めてだった。
日葵「一樹ぃ!これ取って!」
一樹「はぁ?!イヤだし!」
日葵「奈緒も蒼もムリだって…だから一樹しかいないの!」
一樹は日葵の姿を見て胸がギュッとなった。
一樹(コイツめっちゃ虫嫌いだからな…)
一樹は覚悟を決めて全ての虫を捕まえた。
(もちろんゴム手袋をしてるよ!)
日葵は「はぁ~」っと腰を抜かしてしまった。
一樹「ほら、もういないぞ?」
一樹が帰ろうとした時に日葵が一樹の服の裾をギュッと掴んだ。
日葵「まだ…居てくれない?」
一樹は黙って夏芽家のソファーに座った。
日葵はその隣にちょこんと座った。
日葵「あの…急だけど…私、一樹の事…」
一樹は日葵の口を押さえた。
一樹「それ以上言うな」
日葵「えっ」
一樹「どうせ俺の事好きとか言うんだろ?そう言うのどうでもいい」
日葵は目をウルウルさせていた。
一樹「俺は正確の良い好きって言われたらじゃあ付き合おうみたいなのを言う王子様じゃねーんだよ」
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