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「それならいいんだけど。吉岡さんが知らないで恥かくといけないと思って、一応確認しといただけ」
「お心遣いありがとうございます。でも、心配ご無用です」
吉岡はそう言うとニコッと笑った。
チョコレートの箱に見えたからといってチョコとは限らない。目撃してしまったのがたまたまバレンタインだったから田島冴子がそう思い込んでしまっただけかもしれない。
静香の胸の中に渦巻いていた曇り空が晴れていった。これで安心して仕事に戻ることができる。
「そういえば、今日いつもの鞄と違うよね」
オフィスに戻る途中、静香はふと思い出して言った。
「ああ、実は今日ジムに体験入学するつもりで。ウェアとかも入れられる大きめなバッグ買ったんです」
謎は全て解けた。
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