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カーゴのリヤハッチが開いて、白い服を着た男達が、大きな銃、円盤状のカートリッジがついた、たぶん機銃であろうものを構えバラバラと降りてゲートへと向かう。ひとりふたり、三人、四人。その後ろから、運転席を降りた男が白いフードを被り車内から銃を取り出し手にした。
マコトに白装束の一人が銃を向けた。
棒のように倒れるマコト。
「先輩!」
ヒサシは叫んだ。
コロニーを襲撃?誰が?一体何のために?食料などほとんどないぞ。
リュウ国の過激派か?そういえば三か月ほど前、離島のタウンが襲撃されたとの情報があった。
ヒサシは橋の下に座っているユリの肩を両手でつかみ、静かな声で言った。
「いいか、ここを絶対に動くな。絶対にだ。必ず迎えに来るからそれまでここでじっとしていろ。もし、三時間以内に俺がここに戻らなかったら、セデ川沿いに下り、ヒヨタウンへ向かえ」
「何かあったの?」
「襲撃だ。しかし俺の言ったコトを守ればユリは大丈夫だ。いいか、絶対俺の言ったとおりにするんだぞ」
ただ事ではないヒサシの口調にユリの顔が歪む。
キイが雰囲気を察して「キー」と鳴いた。
ヒサシはカートに飛び乗った。
可変抵抗式のペダルを床まで踏んでコロニーに向かいつつ武器を確認する。
釣りのための外出だ。
カーゴに積んでいるのは大型虫を殺すための短いショットガン1丁、ズボンのベルトの後ろに拳銃が1丁。
白い服を着た男たちは機銃を構えコロニーの中に入って行った。
パンパン、という銃の音と悲鳴が次々に響いた。
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