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次の日だった。
‥‥今の監督に代わってからではあるが。
グラン・ドームのリュージンズ側ブルペンには、カレンダーのようにして『登板予定表』が掲示されている。
何日に誰が先発をして誰がリリーフに回るのかが、1ヶ月先まで記載されているのだ。
この表を掲示する目的は2つある。
ひとつは『お前は、この日に投げるんだぞ』と投手にプレッシャーを掛けることで、体調管理‥‥特に深酒などを抑止すること。
そして『もうひとつの理由』が‥‥
「‥‥おや？」
最初に気付いたのは、工藤だった。
「どうした？」
長尾が後ろから声を掛ける。
「いえ‥‥『登板予定表』が無くなってたんで。書き換えるんですかね？」
「ああ、それか」
長尾は事情を知っている様子だった。
「『前村さん』が二軍から上がってくるんだよ。ホラ、キャンプ序盤に肩を怪我をして戦線を離脱してただろ？ あの人も、いい加減トシだから『無理はさせられない』って事で、暑くなる時期までリハビリ期間に当ててたんだ」
前村は沖縄出身の投手で、どうにも『寒い時期』が苦手と言われている。そのため例年、6月くらいまでは調子が出ないのだ。
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