スパート

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『歯車が噛み合う』と言う表現があるが。 元々、プロ野球の選手は卓抜した能力と実績を引っさげて入団してきた猛者ばかりである。 その素質、力量にチームごとで明らかな『見劣り』がする事はない。 しかし、チーム内の空気やバランスの悪さで『勝ちきれない』状態に陥ると、士気そのものが落ちて低迷を招く原因になる。 例えば、打撃陣は好調だが先発が不調で点をとられまくるとか。 逆に投手陣は好調でも、打線が繋がらなかったりとか‥‥ そうした時に。 ふとした事がキッカケで、離れていた『歯車』がガチッと繋がるケースがある。 今回は『前村復帰』が、その間を繋ぐ『欠けていた歯車』になった。 『3勝する間に、4つから5つも負ける』不安定な工藤が先発から抜け、投げるイニングは短いが確実に相手を抑える前村が入った事で、『1勝』をモノに出来るようになったのだ。 更に、工藤が中盤に打ち込まれることで不規則に多用せざるをえなかった中継ぎ陣に休みを与える事が出来たお陰で、リリーフにも安定感が増してきた。 それだけではない。 ベテランの前村は、ただ黙って休んでいたわけではなかった。各打者のクセや得意・不得意についてビデオやデータで研究を続けていたのだ。     
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