447人が本棚に入れています
本棚に追加
/181ページ
翌日、朝早く家を出て、一路の部屋に寄る。
待ち構えていた様にソファに座らせられる。
自動的にお茶が出て来て、由良は大笑いする。
「なんで笑うかな?」
「だって…。」
くすくすと笑い続けると、
「まぁ、笑いは胎教に良いそうだし、良いですけどね。二人は、特に莉梨子ちゃんはどうでしたか?」
と、一路も横に座り聞いた。
「驚きました。莉梨子が私の身体を心配して、ここに多く泊まった方が職場には近くて良いって。駄々をこねる事は一切なくて、少し寂しいかな?」
「道理で…。」
「どうかしました?」
「昨夜電話があって、莉梨子ちゃんから。無理させないで、ゆっくり休ませて。らら、すぐ無理するからって。それで…遊びに行ってもいい?って…。」
顔を見合わせて二人で吹き出す。
「しょうがないわね…もう…。」
「莉梨子ちゃんらしいですよ。でも、変わりましたね?良い方向に…。」
「はい…。頼もしいです。最近は…。」
「電車どうでした?」
「朝は空いてます。座れるし、早い時間なら通勤も楽ですね。早く帰る時間の方が混雑で危ないかも。だから、ここで休んでから帰ることにしますね。」
「はい。時間が遅くてもいいなら送ります。協力はしますよ?生まれてからも、負ぶって店に出るつもりです。自慢できるし…。」
「想像が出来ますねぇ…。でも、助かります。よろしくお願いしますね。」
お弁当を渡して出勤する。
会社の前まで送ろうかと言う一路に、喝を入れる。
渋々、店の前まで出てきて見送る。
実感はまだない…。
大変だろうとも思う。
そう考えるのも幸せだと、由良は考えて未来を夢見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!