お返し

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俺にはかわいいかわいい彼女がいる。 中学の頃から気になっていた子で家がお金持ちだったり運動もできたりで高嶺の花のような子だった。 しかし高校に入ってからの露骨と言っていいほどのアピールの末、 告白は大成功! そんなこんなで毎日が幸せだと思っていたが、あるイベントが俺を苦しめた。 ホワイトデーである。 俺はそんな大好きな彼女から明らかに高そうな箱に入った手作りチョコとあと高そうな指輪をもらった。女から指輪をもらうなんて少し変な話かもしれんが、とりあえずあまりの喜びに二三日はそのチョコと指輪を交互に眺めてはニヤついていた。 しかし、俺は冷静になった瞬間あることに気づく。 お返し...どうしよう。 彼女はさっきも言った通り家がお金持ちで有名だ。そんな子へのお返しは何がいいんだろうか...。 とりあえず俺は資金調達のためいつもよりバイトを増やして節約生活をおくることにした。 ホワイトデーまで3日を切った。 ちょうど部活が終わるタイミングが同じだったので彼女と一緒に帰っていた。 俺の彼女は突然オレンジ色の夕日の中で照れ臭そうに言った。 「ほ、ホワイトデーの日って1日空いてたり...する?」 「え?うん!なんで?」 「そ、その...物とかのお返しとか要らないから、その日は...で、デート...しませんか?」 ん?彼女はいまなんと言ったんだ? きっとあまりの嬉しさに俺の脳は働くことを放棄したのだ。 また働きだした脳が言葉の分析を始めた。 え??で、で、で、デート!? うれしい。めっちゃくっちゃうれしい。 俺のことを好きでいてくれて、こんなに顔を赤くして頑張って言ってくれたんだ。 「おう!いいんじゃない? 楽しみだな~!」 俺は喜んでるのを誤魔化せていただろうか... ホワイトデーの1日デートはとても緊張したけど楽しかった。 彼女もたくさん笑ってくれたし 俺も一緒になってずっと笑ってた。 俺はいいものをもらってばっかりだ。 彼女だってチョコだってデートだって。 でも彼女にその分を一気にお返しするのは財力や特別な能力もない俺にとって、 物理的に難しいことだろう。 だから俺は... 俺のこの一生をかけて 彼女が俺にくれた以上の幸せを 彼女にプレゼントしようと決意したんだ。
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