ビタースイート・デイ

「おまたせしました、ビタースイート・デイでございます」
「ありがとうございます」
店員が運んできたケーキとカップ付きポットを机に並べていく。
「では、ごゆっくり」
会釈して去っていく店員を見送り、机の上のものを改めて確認する。
色とりどりのデザインを身に纏った正方形のショコラたちが皿に並べられており、傍にはフルーティーな香りを漂わせる真っ白い陶磁のポットとカップが置かれている。
ポットを手に取りカップへと傾けていくと、ほのかな果実の香りを放つ白いミルクラテがカップの中を満たしていく。
「では、いただきます」
フォークを手に取り、ショコラを口へ運ぶ。
「……苦い」
途端、小さなショコラの黒は言葉にできぬほどの苦味を伴ったコーヒーの風味へと変わり溶けていった。