バレンタインの帰り道。

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 校則的には「お菓子を持ってきてはいけない」となっている。だから、先生にバレないように隠しつつ皆んなとチョコを渡しあった。  チョコと一言にいっても、中には「時間がなくて作れなかった! ごめんね」と言いつつ、凝ったラッピングの市販のバラエティーパックのお菓子詰合せを渡してきた強者もいる。  わたし的には「そんなラッピングするより、お菓子作った方が楽だ」と思えるようなラッピングだった。そんな凝ったラッピングは時間がなくてできなかったが、味はお父さんからのお墨付きだから自信はある。  ただの透明の袋に入れてビニタイをしただけのお菓子だけど、堂々とみんなに渡してきた。  先生に隠れて食べた子は、「美味しかった!」と絶賛してくれたし大満足だ。特に風が強く感じる橋を歩いているはずなのに、足取りは軽く感じる。  ああ、やはり今日は「いい日」だなぁ。
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