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ラスク殿がいなくなり、4人になった我々は、一層会話をしなくなりました。
「さ、さぁ魔王城はもうすぐですかね?緊張しますな、皆様」
自分に返事をするものはもういませんでした。
スポンジ殿は自分の横を大股で歩き、距離を開けカスタード殿とペパー殿がトボトボと付いてきます。
こんな連係の取れない状況が続いております。
そのせいで気づかなかったのです。曲がり角に潜むモンスターに。
「っ!皆様!下がって!」
よりによってモンスターは広範囲の攻撃を放ち、全員がまともに食らってしまいました。
素早くモンスターを一蹴し、倒れている仲間の元に駆けつけます。
回復魔法を全員に施し、待つこと数十秒。全員が無事な姿を確認しほっと胸を撫で下ろします。
「よかった。皆様大丈夫でしたか」
「ええ、リーダーありがとうございます」
久々にペパー殿の声を聞きましたように思えます。
「すみません皆様。自分の不注意でした」
「気にしないで。リーダーのせいじゃないわ」
カスタード殿はスカートの裾を手で払いながら立ち上がり、ボソッと呟きました。
「ったく、どっかの盾役がぼけっとしてなけりゃ食らわなかったんだから」
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