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スポンジ殿の姿が見えなくなった後も、我々はしばらく動けませんでした。
頭の中でスポンジ殿の言葉が何度も跳ね返ります。
問われたリーダーとしての素質。蔑ろにしてきた自分の課題。自分は、一体どうすればいいのでしょうか?
助けを乞うように、欠点から目をそらすように、自分は仲間の方を覗き込みます。
飛び込んできたのは、真っ青な顔で地面にへたり込むカスタード殿とペパー殿の姿。触れると粉々に割れてしまう飴細工のように繊細な2人を見てようやく自分は気づいたのです。自分が助けてやらないと。
今まで自分は、リーダーとは戦う背中を見せて前から皆様を引っ張る存在だと思っていました。
でも、そうではないのです。
リーダーと名乗る以上、向かい合って仲間と顔を合わせなければなりません。
「自分がどうしたい」「パーティをどうしたい」ではなく「仲間はどう思ってるか」を汲み取る存在、それこそが真のリーダーなのです。
とっくに折れてしまった自分の心を無理矢理伸ばし、自分は大切な仲間たちに声をかけました。
「お二人とも、立ち上がりましょう」
「……リーダー?」
「たしかに、かつての仲間の言葉はもっともです。自分の見たくなかった面を剥き出しにされたことでしょう。でも、それでも、まだここは終わりではありません。間違ってたのなら、ここからまた始めればいい。見てなかったのなら、今からでも皆で寄り添って見ればいい。我々には、たしかにこの世界しかありません。でも、この世界には素晴らしい仲間がいるじゃないですか!」
顔を上げ、上を向き、自分はいつものセリフを大声で叫びました。
「さぁ皆様!まだまだ終わりではございません!
――プツン。
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