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あれから戦闘をいくつか終えて、我々は馴染みの酒場に戻ってきました。
「ではいつも通り、スポンジ殿と自分が前戦に立って時間を稼ぎます」
目配せすると、スポンジ殿は自慢の盾を軽く叩いて力強く頷きます。
「その間にカスタード殿とスペア殿で相手の行動パターンを割り出してください。カスタード殿は隙があればどんどん撃ち込んで大丈夫です」
カスタード殿はこの世界で一二を争う狙撃の名手で、数々のモンスターを沈めてきた実績があります。
「サブレ殿はスペア殿から離れないでください。スペア殿、危なくなったらすぐ回復を」
スペア殿が淑やかに頷くと、サブレ殿も合わせて小さく首を動かします。
次に倒す予定のモンスターは、戦闘初心者のサブレ殿を連れていくには少々厳しい相手です。しかし、サブレ殿を置いていくという選択肢は我々には無いのです。みんなで戦いみんなで勝つ。それがこのパーティーのスローガンなのですから。
「以上が次の作戦であります。皆様、よろしいでしょうか」
全員の返事を待ってから、自分は椅子を鳴らして立ち上がりました。
「そして!先ほどの戦闘でスペア殿がペパー殿にグレードアップされました!皆さん、祝ってあげてください」
「ガハハ!ついにやったなスペア……じゃなくてペパーか!」
スポンジ殿がその大きい体を揺らして声高らかに笑い上げます。
その横ではカスタード殿が手を叩いてペパー殿を祝福しておりました。
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