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道を進んでいくと、二股に分かれる洞窟に辿り着きました。
このエリアはモンスターも出ない安全地帯です。
危険度ではどちらも同じ、差は拾えるアイテムぐらいでしょうか。
「ねぇ、リーダー。提案があるんだけどいい?」
「どうしましたか。カスタード殿」
「この道さ、二手に分かれない?」
「え、で、でも」
その提案に面を食らってしまい、言葉に詰まってしまいます。
今まで、我々はパーティとしてひとかたまりで行動してきたのに。
「その方がいいかもしれません。アイテムも倍ドロップできますし」
「さんせい」
「じゃあチーム分けを決めましょう」
自分の思いとは裏腹に、瞬く間に二手に分かれる方向で話は進んでいきます。
「リーダー、いいのか?」
「いいじゃん、多数決だと分かれる派が多いんだし。スポンジもそんなカッカしないでよ。ねぇ、リーダー。いいでしょ」
「そ、そうですね。多数決なら仕方がないです」
聞こえるはずがないのに、スポンジ殿のため息の音が聞こえてくるようでした。
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