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「柊原悠か…」
「柊原グループ総帥の孫娘だよ?」
「彼女が?」
「あまりパーティーにも出ないしね…
顔を知らない人は沢山いるよ?」
「そうか…」
晃子朗は悠が去った方を見る。
その顔にニヤニヤする蘭丸。
「会長…
もしかしてゆんゆんに惚れた?」
「そそそ、そんな事は!?」
「でもダメだよ?
私も彼女が好きだから。」
「それはラブかライクかどっちだ?」
「会長と一緒でラブのほう。」
「蘭丸がライバルか…」
難しそうな顔をする晃子朗と笑顔の蘭丸。
しかし二人の顔が真剣な顔になる。
誰もが待遇の良いSSクラスに行きたいと願うと言うのに悠は普通クラスにいる。
何か理由があるのか。
「私は早速明日迎えに行っちゃおうかな~」
「抜け駆けするのか?」
「だって会長は通学ヘリじゃ~ん。
普通の家にはヘリポートなんてないよ?」
「……車にする…」
「じゃあ私が会長を迎えに行ってからゆんゆんの家に行くで良いですか?」
「わかった…」
互いに少し赤くなっている頬に気づかないふりをして晃子朗と蘭丸も教室に戻って行った。
午後の授業を二人がほぼ聞き流していたのはここだけの秘密。
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