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お気に入りの場所で誰か寝ていた。
制服を見た感じでは一年生。
長い髪を首で束ね不釣り合いな大きい眼鏡。
木にもたれ規則正しく寝息をたてている。
その手には読みかけの本らしきものがある。
(見ない顔だな…)
そんなとき相手がゆっくり目を開けた。
焦点の定まらない目をこちらに向ける。
「あ、すいません…
すぐにどけます…」
慌てたように本を鞄に直し走り去る。
「おい!」
声をかけるが止まる事なく見えなくなった。
不思議そうに木の方を見ると何か落ちている。
金色のブレスレットに小さなダイヤ。
それはこの学園のランク付けの最高位の証。
(何で彼が?)
ブレスレットの裏には名前が刻印されていた。
(Y・H?)
とりあえず今は放課後。
また明日にしようとブレスレットを持って帰宅した。
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