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その日も悠は不機嫌だった。
朝から学園支給の端末(スマホの様な物)に晃子朗と蘭丸からのモーニングコールならぬメールがあったからだ。
学園内のお知らせ等の通知やメールやり取りなどが出来るのだが、なぜか教えていない二人から来たのだ。
住所と同じ方法で取得したと思われる。
(本当にストーカーかよ…)
二日間自宅凸がなかったと思ったらこれだ。
ため息をつく悠を心配しながらゆっくりと車を走らせる黒沢。
そして学園に到着。
「行ってらっしゃいませ。
悠様…」
「行ってくる…」
本日何度めかわからないため息をつき教室に向かった。
今日はホームルームを邪魔されることなく始まったがクラスメイトからのあれからどうなった的な視線が終始集まる。
一応ガン無視で乗り越えるもののしつこい。
休憩時間には他のクラスの子も来るため悠の眉間のシワは深くなる一方だ。
「悠?
眉間のシワ凄いよ?」
「色々あるんだよ…
あいつら全員腹壊せばいい…」
「悠が呪えばなりそうだからやめたげたら?」
「マジでウザいんだよね…」
横の席のクラスメイト、七瀬紅(ななせくれない)が自分の眉間を指でなぞる。
彼女にとってSSクラスのメンバーは一生徒会メンバーとしか見ていないためそこまでミーハーな反応はしない。
まぁ彼氏一筋だからかも知れないが。
「ホントに顔綺麗だし、そんな格好してなかったら悠もそこそこモテるはずなのにね~
後口が悪すぎるのもね~」
「媚びへつらうのはパーティーだけで十分…
それ以外したくない…
で、どいつから呪っとく?」
「呪うなら◯◯と◯◯にしとけば良いんじゃない?」
「そうだな…」
悠はルーズリーフを取り出すと赤いボールペンを出し上の端から呪いと書いていく。
紅は面白そうに見ているも周りは恐怖に震えていた。
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