遭遇は突然

10/14
前へ
/14ページ
次へ
二月十四日まであと三日 今日は月曜だが祝日で大学がお休みだ。 休みが嬉しくないわけじゃないけれど、今は手紙が楽しすぎて少しやきもきしてしまう。 リビングでスマホをいじっていてもどうも落ち着かない。 「雫ちゃん、学校で何かあったの?」 態度の出てしまっていたのかお母さんが声をかけてきた。 「やっぱなんかおかしく見える?」 「んー楽しそうには見えるわ。」 そういうお母さんも嬉しそうに笑った。 この調子だと友達にもバレていそうでちょっと恥ずかしい。 少し落ち着かないとと思っていると、洗い物がすんだのかお母さんが隣にやってきた。 「何があったのかわからないけど、雫ちゃんが楽しそうにしてて嬉しいわ。」 だって、と言葉を続ける。 「雫ちゃんは私とお父さんだけじゃなくお友達とも愛で繋がっているのだもの!」 と、また愛理論が出てきてしまった。 変に探られても困るけど、ここまで楽天家で大丈夫だろうかとは心配になってくる。 (でも、愛かぁ。) あの手紙を贈ってきてくれている人達も、何かしら好意を持ってくれるのだろう。 そうじゃなければお金や時間をかけてわざわざこんな長い間しないだろう。 (会ってみたいなぁ。) 犯人探しはしないと決めたけど、せめてお礼くらいは言いたい。 また大学へ行く楽しみが一つ増えた夜だった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加