遭遇は突然

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二月十四日まであと十日 私はバレンタインデーが大嫌いだ。 大学へ行けば友人達はどこでチョコ買うだの誰に渡すだのと言う話題でもちきりになる。 家に帰れば未だに恋愛脳の両親が一ヶ月前からプレゼントの話を四六時中している。 別に恋愛の話題が嫌いなわけじゃない。 それに最近は友チョコとか友達同士でも楽しめるイベントになってる。 それでも私はこの日が嫌い。 何故なら私の誕生日だから。 友人達はバレンタインの事で私の誕生日なんて忘れる。 両親は小さい頃はさすがに覚えていた、というより母が言うには。 『愛の日に産まれてくるなんて!私達と貴女の愛が繋がってるのね!』 と、私の誕生日と一緒に夫婦の記念日のように祝っていた。 それが段々と私の誕生日というのが薄れて、現在のバレンタインと同じになっている。 正直、面白くない。 友達にも親にも誕生日には何かしら贈っているのに、私はバレンタインと一括りにされたチョコ。 誕生日を覚えている友人ならまだまし、大半が忘れ去っている。 中学時代までなら友達にも忘れられないようにアピールしていたけれど、大学生になったらもう疲れた。 そのせいか今やバレンタイン事態が嫌いになっている。 けど友達は私のそんな気持ちはしらない、おそらく友チョコを用意するだろう。 こんなイベント参加したくなんてないのに、私だって用意しなければいけない。 重たい気持ちを引きずりながら大学に到着する。 月曜はまず自分のクラスに移動しなければならない。 この大学は一、二年の間はクラス分けされていて、月曜の朝はHRというものがある。 自分のクラスにつくとすでに数人が席についたり、友達と話したりしていた。 「雫ーおはよー。」 「おはよー。」 クラスメイトと挨拶を交わしながら席に着く。 しかし椅子を引いたときに見慣れないものが見えた。
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