遭遇は突然

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放課後 サークルも無事終了し、ジャージから私服に着替えるためにロッカールームに向かう。 自分のロッカーに辿り着くとドアの部分にまた手紙が貼り付けてあった。 (また?) 無造作に引っ剥がしてさっさと中から手紙を取り出す。 『ゲームは明日から、一回目の講義は前から二番目の一番右の席に座れ』 つまりそこに新しい手紙を仕込んでいるんだろう。 素早く読んでロッカーに入っている鞄に放り込んだ。 けどロッカールームにすら入り込めるなんて。 横にいる百合をチラリと見る。 手紙には気づかなかったようで私服に着替えているところだった。 それにロッカーに来てから今までほとんど一緒にいた、サークルの時も抜け出したりもなかった。 (やっぱ百合じゃない。) 思い当たる節もない。 なら下手に犯人探しのような考えをするより飽きるまでほっといたほうが良いかもしれない。 気持ちを切り替えるためには楽しいことして過ごすのが一番だ。 「ねぇ百合。」 「どしたの?」 「このあとカフェいかない?あのチーズケーキの美味しいところ。」 「行く行く!あ、じゃあ皐月と菫も誘ってみよ!」 「だね!」 百合と同じくらい仲良しの二人に連絡を入れてお気に入りのカフェに向かった。
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