遭遇は突然

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二月十四日まであと九日 大学一回目の講義。 昨日の手紙の内容を気にしないようにはしているけど、他の子が見つけて巻き込まれてしまうかもしれない。 (指示されたところに座って手紙だけさっさと回収しよ。) 指定の席にいくと案の定手紙が入っていたが、昨日までと違い花柄の可愛い封筒に変わっていた。 チョイス的にやっているのは女子のように思えなくもないけど…。 開けなければ良いのに気になって手紙を出してしまう。 『ゲームの参加を歓迎する、次の指示は昼休みが終わってから行う』 昼休み後…。 三時間目と四時間目があるけど、席の指定がないということは座る場所が決まっている四時間目だろうか。 この感じだと私の時間割も講義も随分詳しい。 一応持ってきた昨日の手紙と見比べると筆跡も若干違う。 (何人かいるってことね。) 最初は怖がらせたいだけかと思ったけれど、それならこんな可愛い封筒にはしないだろうし手書きにもしないだろう。 実害もなさそうだし、こういうゲームみたいなものは嫌いではない。 いつまで続くのかはわからないし、どちらかが飽きればそこで終了だ。 (バレンタインムードも飽き飽きだったし丁度いっか。) 封筒も可愛いし。 ちょっとだけ楽しみにしながら講義の準備を始めた。
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