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「どうしよう、恥ずかしい……」
「ちょっと声が大きかったかもね」
慌てふためく私とは対照的に落ち着き払った柊はクスクス笑ってから、唇に人差し指を当てて“シーッ”のジェスチャーをした。
もう、なんか、いちいちカッコイイ。
「杏」
「ん?…わっ!」
見惚れてる隙に腕を掴まれ、一瞬で引き寄せられた。
数センチ先には柊の顔がある。
ち、近い……
「好きな人のことは何でも知りたいって気持ち、杏も同じなんだね」
「…っ」
「嬉しいよ。ありがとう。大好き」
くしゃくしゃな笑顔で耳打ちされると私は完全にフリーズした。
少女漫画でしか見たことないような台詞を平然と言ってのける柊にはお手上げだ。
いい歳して彼氏にドキドキしてる自分がかなり恥ずかしく思えるのに、その何倍も幸せを感じてる辺り相当重症なのかもしれない。
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