キミと私

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柊と話すのは、いつも5分とかそれくらいだ。 僅かなその時間を私はとても大切にしている。 「そろそろ戻るね。お父さん一人だと大変だし」 「分かった。午後からも頑張ってね」 「うん。柊もね」 私が言うと、柊はニコッと笑って手を振ってくれる。 これが午後からも頑張れる活力になってるってこと、柊は知らないだろうな。 「お父さん、ごめんね。ありがとう」 「なんだ、もういいのか?もっとゆっくりしててよかったのに」 売場に戻ると、予想通り父が慣れないレジに四苦八苦していた。 私は普段から厨房と売場を行ったり来たりしているのだが、柊が店に来た時だけは厨房にいる父が売場に出て来て接客を代わってくれる。 ゴーサインを出すのは父の方からだ。 遠慮したって行け行けと背中を押されてしまうから、最近は甘えさせてもらっている。
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