キミと私

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「お待たせしました…アイスカフェラテ、です」 「ありがとう」 昼休みの時間になると柊は再び店に現れる。 注文を受けたドリンクを、テラス席に座る柊のところに持って行くだけで緊張して変な汗が出た。 「さっき躓きそうになってたでしょ」 「見てたの…?」 「もちろん。俺が何のためにこの席に座ってるのか忘れた?」 カフェラテを乗せていたトレイをギュッと胸に抱えて首を横に振る。 忘れるわけがない。 せっせと働く私をランチをしながら眺めたいという理由だけで、窓側のテラス席を選んでいると言われた時にはビックリし過ぎて顔が茹でタコみたいに真っ赤っかになってしまったのを昨日のことのように覚えている。 とにかくストレートな柊に、私は今日もやられっぱなしだ。 「柊ってほんとにパンが好きなんだね」 「ん?」 柊が勤めている会社はここから目と鼻の先にある。 さっきも言った通り、一本道を抜ければオシャレな飲食店がたくさんあるというのに。 毎日、朝も昼もパンなんて男の人にしては珍しいと思う。今日のお昼はサンドイッチとメロンパンだし… もっとガッツリしたものを食べたいとは思わないのだろうか。
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