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「あ、もう来てた。リツ、久しぶり」
「さっき来たんだよ」
後ろからミヅキの声がして振り返った。俺とは違う高校の制服を着ている。
「四月だったっけ、前に会ったの」
「そうだな、日曜だったけど制服見せるためにわざわざ着ていったよな」
俺のいる学校が学ランとセーラー服、ミヅキはブレザーだった。中学校がブレザーだったので学ランに新鮮さを感じたのか、ミヅキが興味津々な顔つきになっていたのを覚えている。
「そう。あの時は気にしてなかったけど、俺のところネクタイもリボンもないんだって。それで黒。集会の時なんて就活でもやるのか? って感じで面白くて笑いそうになった」
俺はミヅキの制服の人が何百人も一か所に集まっているのを想像すると、なんだかおかしくて笑った。
「な、面白いだろ」
「うん、ちょっと」
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