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「フリーターっていうんじゃあないよ穀潰し」
「穀潰しっていうなフリーター。っていうか穀潰しってなんだよ」
一瞥もくれずにずっと録画していたバラエティをあぐらをかきながらローテーブルに頬杖で見ている奇妙なアホ毛を宿したこの白髪はリオネ・リオンティーヌ。
今から二ヶ月ほど前。なんやかんやあって俺の家に居候することになったヤツ。
そして信じられないかもしれないがコイツ。地球生まれ地球育ちではない。じゃあどこかって聞かれたら、was born Different worldってやつだ。……スペルあってる?
「ねぇフリーター、お腹すいた」
「冷蔵庫の中に何かしらあるだろ、それ食えよ」
「食べれそうなやつは昨日の夜に全部食べちゃったよ」
「え、嘘!?」
鞄をベッドにぶん投げ、もう一度冷蔵庫の中を確認する。さっきは弁当をただしまっただけで確認は怠った。
「……うわ、マジじゃねぇか」
冷蔵庫の中はすっきりしていた。代わりに台所にはお皿の小さな塔が形成されている。
「おい、そこの」
「なあに? ご飯作ってくれるの?」
「働かざる者食うべからずって言葉知ってるか?」
「博識だねー、フリーター。とりあえずお腹減った」
何が面白いのかよく分からないバラエティ番組を薄ら笑いで見ているリオネ。こいつフリーターよりタチ悪いな。
「……あ。フリーターもシュウショクだっけ、してないんでしょ? 働いて金稼がないヤツはクズ認定されるよ」
「お前頭にブーメラン刺さってるぞ。抜いてやる」
ズカズカとリオネに近づき、ぴょこぴょこ動いているアホ毛をがっしり掴み、上に引っ張る。
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