大臣ってなんだ……

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大臣ってなんだ……

 僕以外が引き取られから二日がたったある日誰にも選ばれない僕に愛想を振りまくのは限界だったのだろう。そもそも保証人を決めるために全員がいなくなるまで半カール(1ヶ月)いたのだ。  僕はあらかた保証人に見てもらったりしたが何故だが人気がないのだ。資料を見て駄目だった方や会ってみて駄目だった方などいろいろいたが残りは大臣でも下っ端の人達しかいないと警備の人が漏らしていた。  そんな時僕を気に入ってくれた人がお食事に誘ってくれたとの報告を受けたので名一杯おしゃれをさせられた。担当の警備兵さんは涙を流しそうな勢いで背中を押してくれた。  指定の場所に赴くと高級ホテル並みのレストランがそびえ立っていた。 「さっすが金持ち。こんな所に地球人を招くなんて一体どんな富豪だよ。」  警備兵さんがポロッと零した言葉にやっぱりこれはおかしいと確信した。ホテルマンみたいなトカゲが二足歩行している。僕の名前が様付けで呼ばれるなんてすごく新鮮な気分だった。  上層階へとあがるための技術は魔力で調整してるらしくトカゲの彼は何も発しなかったが街並みが少しずつ変わっていく。なかなか高いらしく周りの建物なんかもどんどん小さくなり目的の階に着いた。  扉が開くとピカピカに磨かれた床や壁、柱が僕たちを歓迎しているように輝いている。警備兵さんと一緒にトカゲの彼についていくと僕らの何倍も大きな扉が周りを圧迫するような感じでそびえ立っていた。 「警備兵さん何でここら辺の扉はこんなに大きいのですか?」  赤ずきんみたいな質問の仕方をしてしまったがどんなに大きい奴が開けるのか気になって仕方がない。そんな様子の僕を見た警備兵さんはトカゲに聞いてみるといいと言って答えてくれなかった。あまりこちらの言葉が話せる訳じゃないのに。 「トカゲさんどうして扉こんなに大きいのですか?」  少しトカゲさんというのが気に入らなかったらしく顔を険しくしたがすぐに答えてくれた。 「ここはセレブな方しか入ることができません。といえど種族は様々なためどんな種族のお客様にも満足頂けるようにしているのです。具体例を上げるならミーシャ族という3m近くの鬼やテロント族という15cmほどしかないリスのような見た目の方などがいらっしゃいます。」  そのために小さな扉もつけております。と下の方を指さして言った。 「タンペルト様お連れの地球人を連れてきました。」
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