大体のことはスライムの粘液で解決

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大体のことはスライムの粘液で解決

 かくして多少の拘束はあるものの快適な暮らしを半月約束された僕は放心状態のまま数日を過ごし同居初日目を迎える事となった。  あのときは倒れてしまって部屋の中しか見れなかったが立っている場所も外見もとてもおしゃれだった。高級住宅街の一番奥で構えている威圧的な雰囲気だと思ったが目もチカチカするような派手な外見でもないため馴染み深い感じがした。  レトロな赤いレンガ造りの家で中も清潔だが目立っている高級そいな置物はないに等しかった。ソファーの値段もまあまあかかるがそれは普通だし、家も少し高い一戸建ての値段だったためむしろ驚きのほうが強かった。  日本は土地が狭いからかかる土地代も馬鹿にできないほどだったのを思い返すとハンベストはなかなか広い国土なんだろうな。警備兵さんとはこれでお別れだ。今まで散々迷惑や愚痴を聞いてもらっていたが最初にできた話せる人だ僕は絶対に半カール過ぎて自由に出歩けるようになったら顔を見せに行こうと密かに決意を固めていた。  出迎えてくれたタンペルトさんは前に見た紺色の着物に肩ぐらいまである髪を伸ばしっぱなしにした髪型だった。警備兵さんと別れてからゆっくりティータイムを満喫していたがどうしても女性と一緒にいるのは慣れない。姉や妹すらいなかったので事実学校で声をかけられるかの微妙なポジションだったせいだろう。 「あのタンペルトさん僕は今の姿よりスライムの姿の方が好きなんですが……別に今の姿が嫌いな訳ではないですよ。ただあまりにも地球人の女性と似ていて緊張してしまうんです。」  丁重に断りを入れタンペルトさんはスライムの姿に溶けてしまった。プルンとしたボディーにキラキラ光るほど日光を浴びて輝くほどの透明さ。屋台などで小さいころスライムでよく遊んでいたがそれとは比較にならないほど美しい。  僕はその姿を見て恋に落ちた。もちろん性格なども含めてなのは安心してほしい。
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