ホクホクトロトロ

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ホクホクトロトロ

 初めは突然だと思った。僕たちは地球から移住してきた地球人だ。資源がとうとう尽きてしまい元々予定していた火星よりも生命が誕生しているハンベスト星に移動した。大きさはおよそ地球より1.5倍大きく生命は人間ではない生物たちが仲良く暮らしていた。  まるで夢にまで見たラノベの世界に似ている。エルフなどがいるし、機械は見たことないみたいだし、魔術は存在するしでなかなかの有料物件だ。  ただ人間を見かけたことのないハンベスト人(?)達には刺激が強すぎたようでなかなか受け入れて貰えなかった。魔物達に手や足が生えたような体だったため五本指で、目が二つで、知能があって、自分達の見たことのないものを持っていると知った彼らは技術発展のため同盟を結んだ。  っと言っても明日から食べるものもない、住む場所もない、家族を養うための金もない地球人には藁にもすがる思いで約束を取り付けた。内容を要約すると 『一、ハンベスト人と地球人は物理的な争いをしてはならない。 ニ、違う人種だからといって見下すようなことはしない。 三、地球人は技術を提供する代わりに衣食住と職を提供する。 四、友好の証として保証人(ハンベスト人)の家で暮らすことになる。 五、地球人とハンベスト人の合意がなければ保証人にはなれない。 六、いつでも保証人は破棄出来るが新たな保証人を探す期間は1カール(2ヶ月)だけである。 七、保証人はこの星の常識を与え、この星に適応していく人材を育てる事が絶対条件である。 八、以上を持ってこれを地球人同盟と名付け違反した者には罰を与える。』 との事だった。  移住してたった3日いるだけで76億ほどの命が守られた。保証人は国に使えている大臣みたいな人しかなれないという決まりを新たに定めると僕らに各部屋を与えた。大抵は家族一緒だが保証人は最大三人までしか家に養えない。それくらいの給料と家が大きいのだろう。  日々居なくなっていく人たちだが余り物のように僕だけが残された。どの魔物達も見向きもせずにいると一人だけ養ってくれる人が見つかったとの報告を聞いた。その人こそ僕の人生のパートナーになる事をまだ誰も予想しなかった。
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