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ベルを鳴らすと、ドアをばたんと開けてすぐにアリスが出てきた。
玄関の近くで待っていてくれたのだろう。
「さ、早くいこ!」
雪のように白い肌は、頬だけが少し赤くなっている。いつも学校に着てきているコートにマフラー。銀色の髪は珍しく、大きなリボンでポニーテイルにまとめられていた。
きれいだ、とテルは思った。
歩きながら、アリスはいつもの調子でテルに色々な話をした。
学校のこと、家族のこと、最近読んだ本のこと。
けれど一つ一つの話題は長く続かなかった。
アリスとの時間が終わる。テルにはそのカウントダウンのことばかりが頭に浮かんだ。
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