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テルの決意
去年まではあれだけ楽しかったアリスの家への道が、今朝はテルをとことん落ち込ませた。
雪の降る地面を一歩踏み出すごとに、その歩幅分だけアリスとの別れが近づくような気がした。
今日は年に一度の雪まつりの日だ。
アリスは毎年、鳥や猫に形取られた雪細工を見ると夢中ではしゃぎまわり、テルを歩けなくなるほど疲れさせたが、テルにはそれが幸せだった。
同じ小学校でも、いつも周りにたくさん人がいるアリスと話す機会は少ない。
雪まつりは、そんなアリスを独占できる唯一の日だった。
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