崩れた瞬間

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 温かくて柔らかい、よく知ってるはずの幼馴染の、今まで知らなかった感触。  ーー初めての、キス。  頭が真っ白になって、抗議さえ思いつかない。 「お前が、んな顔するから……  反則だろ」  ボソッと呟いた太一は俯いて、耳まで真っ赤にしてる。  反則はどっちだよ。  もうこれじゃ私たち、『幼馴染』になんて戻れないじゃん。  この崩れた関係を、どうしてくれんのよ……  ゲームの音が鳴り響く、昔から馴染みのある部屋。それなのに、一気にこの世界が強烈に色味を増していく。
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