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『なぁ、聞いてる?』
太一が寝転んだまま体勢を逆向きにし、彼の大きな手が私の肩に置かれた。骨ばってて、私とは全然違う手の感触。力強くて、温かくて、泣きたくなる。
ゆっくりと太一に向き直ると、射抜かれそうな真っ直ぐな視線に心が震える。絡み合うのが恐いのに、目を逸らせない。全身が熱くなってきて、震えてくる。
いつになく真剣な太一の表情に落ち着かなくて、逃げ出したくなる。心臓が、喉から飛び出しそう。
無視してたら、変に思われちゃうよ。
早く何か言わなくちゃ。早く、何か、何か……
そう思って口を開きかけた途端、太一の手が強引に私の肩を引き寄せた。手にしてた漫画がバサリと落ちる。
「ん……!?」
う、嘘……
何が起こってるの!?
太一の唇が私の唇に押し付けれらていた。
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