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「…………」
「…………」
「楓がいないと静かね」
「楓ちゃんか……そういえば」
「そう言えば?」
「君たちと僕が初めてあった時を覚えてるかい?」
「初めてあった時…………確か……」
そう、海斗と私達の出会い。それは20年前の出来事。楓が幼稚園のジャングルジムから、ダンボールで出来た羽を持って空を飛ぶと言い始めたあの時。私が必死に止めたあの時。
「やめなよかえでちゃん! あぶないよ! けがするよ!」
「でも~、このあいだテレビでやってたんだもん。ダビンチせんせいってひとがこれでとんだって~」
「違うよ。ダビンチ先生は空を飛べなかったんだ。飛行機を飛ばしたのはライト兄弟だよ。つまり君は落ちる。落ちたら危ないし、みんな傷つく」
「やってみなきゃわかんないでしょ~! ていっ! 」
「「あっ」」
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