メリコ・メリークリスマス

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「まぁそれはともかく楓、今年はどこで飲むのよ」 「秘密よ~秘密、お楽しみにぃ~」 「毎年そう言ってるけど、結局いつも通りじゃない。どうせフェンリルでしょ?」  フェンリル、私たちの行きつけのバー。毎週一回は行く大人のオアシス。最近は新しいものが怖くなってきたのよね。いつもと同じ、いつもの場所が一番落ち着く。まだ25なのにどっと老けたような気がする……。 「そりゃアンタだけよ」 「心を読むな!」 「以心伝心って奴よ~」 「一方通行な気がするけどね」 「照れるなよ~メリコ~」 「照れるどころか怖いわ! あとメリコじゃない!」  そんな中、咳払いの音が私の真後ろから聞こえてくる。嫌な予感しかしない。 「君達が祝ってくれるのは嬉しいんだけどね」  うーん聞き覚えのある低い声。 「申し訳ないが、堅物からのプレゼントだ。チェックと整理を頼むよ」  私と楓、そして後輩の机の上にドサッと紙の束が置かれてしまう。ちくしょうめ! 「「「ええええぇぇぇええ」」」 「大丈夫、君の誕生日までには大体の仕事は片付けるさ。私にも大切な日になる予定だからね。半分はもう片付けたから、あとは頼むよ」  ――――――――君の誕生日ねぇ。やっぱこの部長やり手だわ。やる気ができちゃうじゃないの。
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