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俺は、明日、花束を渡した後の、恵美先輩の喜ぶ顔を何度も、何度も『妄想』しながら、眠りに就いた…。
3月◯日。天気は『晴れ』。
俺は、早めに自宅を出ると、近くの花屋さんに寄り、予約していた『赤い薔薇』の花束を受け取った。
予算が3000円だったのだが、花屋さんのサービスもあり、10本の『赤い薔薇』の花束に、透明の包装ビニールと、赤いリボンが花束の茎元に巻き付けられていた。
俺は、気分を高陽させながら、登校した。
そして、上履きシューズが保管してある自分の下駄箱の蓋を開けた。すると、上履きシューズの上に『黄色い封筒』を発見した。
黄色い封筒の表には、何も記載は無かった…。
そこで、俺は機転を利かし、封筒の裏を見てみた。そこには『丁寧』な女性の筆跡で『成宮恵美』とハッキリと書かれていた。
俺は、恵美先輩からのお手紙だったので、慎重に裏の、赤い『ハートマーク』のシールを剥がし、封を開けた。
そして、中身の白地に花柄の便箋1枚を広げた。
便箋には丁寧で、清楚で、華奢で、綺麗な恵美先輩の筆跡の、文字が整然と並んでいた。
その文面は…。
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大河へ。
よければ、卒業式後に、生徒会室に来てくれませんか?
ずっと、待ってます。 成宮恵美。
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