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すると、恵美先輩が一人、黙々と何かの書類を作製している最中だった。
俺は、心の中で
『ラッキー! 恵美先輩…。一人で何か作業している。これは、お手伝いチャンスだ!』
そう、俺は結論付け、何食わぬ顔で、生徒会室の引き戸を更に開け、恵美先輩に視線を合わせ、話しかけた。
「お疲れ様です。成宮先輩。何の書類作製ですか? 僕、今日の放課後、無茶苦茶、暇なんで、誰か居るかと、生徒会室を覗いてみたんですが…。成宮先輩がお一人だけ、いらっしゃって…。僕、暇なんで、成宮先輩のお手伝いしますが…。」
俺は、恵美先輩に、暇アピール&お手伝いアピールをしてみた。
すると、恵美先輩は、さっきまでの一人で辛そうな表情から、一転、満面の笑みを浮かべ、嬉しそうに俺に話しかけてきた。
「大河…! ナイスタイミングだよ。今日は生徒会の役員連中が、塾だの用事だのと、全く集まらなくてさ…。今日、用事の無かったあたしが書類作りを一人でやらされてたんだよぉ…。
もうぉ…、疲れまくりだよ…。
大河、生徒会室に入って、入って。
さっき、この生徒会の備品のコピー機で、書類のコピーは、終わったところ。後は、コピーした紙を半分に折って、定数を何枚か重ねて、ホッチキス止めだよ。大河、手伝ってくれるかな?」
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