ツユクサの涙

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「たいちゃん! やっとつかまえた」 女の子は走り回るあなたをつかまえて、わたしをすり潰した右手をあなたの顔に近づけた。 あっ――――。 柔らかな肌の感触。 女の子は、青いインクになったわたしであなたの頬にハートを描いた。 わたしが、あなたに、じわりと染みこんでゆく。 まるで、魂がひとつに重なり合うように。 【完】
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