1人が本棚に入れています
本棚に追加
陽も落ちかかった夕方。ボクとエトちゃんでセンパイをサンドイッチして、繁華街の大通りを歩く。女性のわりにそこそこ長身なセンパイが小柄なボクとリアルJSの手を繋いで歩く姿は、知らない人が見ると、年の離れた献身的な姉が幼くて可愛い妹たちを迎えに来たように見えるだろう。あぁ、なんて尊いシチュエーション! センパイの溢れ出るやさしさをボクという小道具が演出しているとか、ボクの持ち株急上昇確実でしょ!
「被害を受けた人に大きな共通点や、ご両親にめぼしい変化があったわけじゃないのよね? 人に直接危害を加えるようなスイッチではないのは確かみたいだけど、現地を調査してみない限りまだ何とも言えないわね」
「役に立たなくてごめんなさい、、、」
「そんなことないよ。エトちゃんは私たちに相談しに来てくれたでしょ? そうじゃなかったら、私たちは事件が起こっていることに気づけなかったわ。だから、教えてくれたこと。それだけで十分偉い」
そうそう。それに、ボク的にはエトちゃんが子どもであることは、あながち悪くはないことなんだよね、、、そういえば、見た目は普通の人間族っぽいけど、いくつなんだろう?
こんな話をしながらのんびり歩いて5分。ボクたちは事件現場についた。
最初のコメントを投稿しよう!