芽生え

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芽生え

夜に送られてくるメッセージ。 たかがメッセージだというのに、なぜこのメッセージ達が尊く感じてしまうのか。 その答えは自分が知っている。 自分にメッセージを送ってくる相手を変に意識してしまっているからだ。 スマホに反射した自分の顔を見た時。いつもの無表情がにやけ面になっていた時の気持ち悪さは自分の中の歴史に残る気持ち悪さだった。 このもやっとした気持ちを抱えて数年経つ。 相手からのメッセージが届いて、それを見て、何気ない会話をするだけでこうも心が湧きあがるというのを感じて自分はもう病気なんじゃないかとさえ思った。 まさか自分には縁のない出来事だと思っていたが、こうも選択肢がありすぎて正解が分からないとなると、ただただ想うことしかできない。 なぜか分からない。 分からないけど、それが辛く感じる。 友達の幸せを思うのは当たり前だというのに。 友達だと思っていた人からの想う気持ちなんて、迷惑でしかないというのに。 もし、自分以外の別の人と仲良くしていたら。 もし もし 答えの出ない可能性に降りまわされて自分を見失っているのに気付くのは、何回もループを繰り返して満足、もしくは疲れた脳が考える事を放棄した時だ。 なにはともあれ。 今日も送られてきていた。 普段あまり使う事のないメッセージアプリに数件のメッセージが送られてきていた。 どんな返事を返そうか。 普段使う事のないスタンプは何を使ってみようか。 今度は何時遊びに行こうか。 メッセージ一つ一つの返信に今日も、明日も頭を悩ませる。 どうしたら楽しく自分とやりとりをしてもらえるか。 経験も知識もない自分の頭を悩ませてメッセージを組み立てる。 認めたくない、が 自尊心の欠片もない自分であるが 相手の気持ちを考慮せず 自分の気持ちに素直になって まぁ、言ってしまえば 彼女が「大好き」なんだろう。 いつか、いつか 彼女にそれを言える日が来たら。
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