一日に何回君のことを思えばいいのだろう。

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昼休み。 今日は同僚に誘われて久しぶりに社食だ。 君はいつもAランチを頼んでいたから、なんとなくAランチを頼んでみた。 すると同僚に変わらないなと言われた。 なぜかと聞き返すと、いつもAランチを食べるのに気付いてないのかと逆に聞き返された。 思い返してみれば確かに、と思って自分がどれだけ君のことを好きなのか思い知った。 今日のAランチは唐揚げ。 唐揚げの時はいつも半分をレモンに、半分をマヨネーズにして食べる。 君はレモンを絞って食べるのが好きで、1度真似して食べてみたらハマってしまったのだ。 でも、自分の好きなマヨネーズも捨てきれずに結局半々にしている。 いつもの光景すぎて、同僚に笑われた。 15時過ぎになり、眠気が襲ってきたのでブラックコーヒーを淹れに行く。 君はブラックコーヒーは絶対に飲めないからとカフェオレにしていたけれど、効果があるのかわからないといつか嘆いていた。 自分は苦いのが苦手なわけではないので、ブラックを淹れるが、君を見てカフェオレを飲むようになってから、ブラックを飲めないと言った君の気持ちがわかるようになってきた。 あの包み込むような甘さに慣れてしまうと、確かに苦すぎるかもしれない。 だけど、仕事中はそれくらいでないと意味が無いので頑張れ、と君にエールを送った。 今日は少しだけ残業をして18時上がりだ。 プロジェクトを進めている同僚たちに、労いの言葉を掛けて退社する。 もしかしたら余計なお世話かもしれないが、みんな笑顔で受け止めてくれるので、いい会社だとつくづく思う。 当たり前だ、君に出会った会社なのだから。 会社から電車に乗り、最寄り駅まで帰ってきてスーパーに寄るか迷う。 冷蔵庫にはいくつかの食材が余っているけれど、それでどうにかなるだろうか。 少し豚肉が食べたくなって、買おうかと思ったけれど節約家の君が頭に浮かんで、スーパーに向けかけた足を家の方向へ戻した。 君が冷蔵庫を見た時に、冷凍室に牛肉が残ってると怒られそうだ。 玉ねぎが残っていたはずだから今日は牛丼にしよう。 家へ帰ってからの行動は早い。 牛丼を作り、合間の時間にお風呂を沸かし、食べ終わったら入る。 あれもこれも、一日の終わりに君との時間を作るためだ。
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