激突、恋vsジーザス

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911のオルガン式のペダルを吹き込む直人。この独特のペダルが一般ユーザーを退けている。 ドドド…。 軽いエンジン音を立てながらポルシェは前進を始める。今日はレインボーブリッジまで遠出する予定なのだ。 恋はずっと直人の横顔を見ている。はじめての恋人の直人。恋は少しだけ直人を信じ始めていた。直人が愛の背中に煙草を押し付けて快楽を得ているなんて全く気付いていなかったのだ。 ポルシェは街中を快適に走っていく。それが大昔の車であることを否定するかのように。 しかし突然車の前に一人の男が出現する。紫色の口紅。右手にショットガンを持ち。黒い特殊部隊の軍服を着ている。顔は髭もじゃ。まるで聖書に出てくるイエスさまのようだ。 「は~い。こんにちわ! ジーザスちゃんですよ~。そして、さようなら!」 そう言うとジーザス大佐はショットガンをくるくるバトンのように回した後に発射した。同時に直人は回避運動を始める。ショットガンの動きで弾道を予測していたのだ。 直人は昔レースをやっていた。とうぜんA級ライセンスは持っていた。 その回避の速さにジーザスはチッと舌打ちをするとショットガンを投げ出し次の武器を下から拾い上げる。その武器を見た恋は心のなかでつぶやく。 (あれは火炎放射器だ☆ この車の回避速度では逃げられない!) そう思うと恋は車のボンネットに向かって飛び出した。911はオープンカーに改造されておりそのまま前に飛び出したのだ。
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