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>サンシャイン100展望台
さえない一人の青年。城 直人(じょう なおと)は失恋した後だった。 ペンダントトップの中には車椅子のもと彼女の写真が写っている。
髪を右側でまとめシングルテールにしている少女。愛らしいリボンが 彼女には似合っていた。
「はあ…」
溜息をつく直人。もと彼女の名前は蛍(ほたる)と言った。 車椅子を押した楽しかった日々を思い出していた。
傷心の直人。しかし事態は彼に癒しの時間を与えてくれなかった。
ゴオ…。
宙を舞う何かが風をきって落ちてくる。黒いセーターに赤毛の少女が宙から降ってきている。
「な、なんだ?!」
思わず叫んでしまう直人。そして直人は赤毛の少女の手をつかむ。同時に凄まじい重量が 彼の手に負担をかける。
「くそ!? 重い!」
登山で鍛えた腕であるが、どこから飛んできたか分からない少女の重量に 根をあげとうである。
気絶していたらしい少女が気づいたらしく、こうつぶやく。
「助けて…☆」
しかし健闘むなしく展望台から落ちる二人。展望台のガラスに穴があいてしまったのだ。
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