6人が本棚に入れています
本棚に追加
/144ページ
激突、恋vsジーザス
>浅草の浅林寺
「恋。待ったか??」
少し気取った様子で巫女服の恋の前に出現する直人。二人は知りあってから毎日仕事帰りにデートするようになっていた。恋は浅林寺の巫女をやっていたのだ。
「ぜんぜん待ってないよ☆」
嘘を言う恋。いつまで待っても直人は現れないので再び巫女服に着替え仕事をしていたのだ。直人は時間にいつもルーズだった。
「少し待ってね☆ 今日は巫女服をクリーニングに出したいから持って帰るんだ☆」
そう言うと恋は本堂に向かって駆け出した。15分程度で着替えて帰ってくる恋。黒いセーターに着替えてきた。それもよく似合っている。
恋と直人は一台の車に歩いてゆく。直人の愛車ポルシェ911だ。1970年代の老朽化した車だが直人は暇に任せて整備しているので、そこそこ走るようになっている。
「そうぞ、お姫さま」
直人はホテルのボーイさんのような恰好で恋に挨拶する。恋は直人のあまりに変な恰好で噴き出す。
「は、はい…。お姫さまは直人さんに食べられる為にホテルに行きますね☆」
恋のくだないジョーク。直人と恋は約束のたびにホテルデートを重ねていた。今日は約束の日なのだ。巫女服の入った包みを大事そうに抱える恋。
最初のコメントを投稿しよう!