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京を落ち、伏見も退去し、大坂からも追われた新選組局長・近藤勇は、江戸帰着後にいくさを起こしたが、大敗戦に終わった。
新選組の残党とともに、下総流山で潜伏しているところを発見された近藤は、土方以下の同志を守るために薩長軍に単身出頭し、罪人として板橋で処刑されたが、その首は京まで運ばれて謀反人として三条河原でも晒された。
おこうに、首を見に行く勇気はなかった。娘のユウに、父の名を明かすことはおそらくないだろう。
沖田総司はとうとう労咳の病魔に破れ、同志とも別れて江戸の片隅でひっそりと死んだらしい。
おこうが愛した土方歳三は、新選組の瓦解後も旧幕府の残党に加わって薩長に抵抗を続け、北の地で転戦しているというが、京を離れられないおこうに、確かめるすべはない。
（了）
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