一章だけの話

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ある女の子はある蟹座の男の子に片思いをしていた。女の子はもともと料理をすることは好きか嫌いかと言われれば嫌いであったが、その男の子のことを好きになって、どんどん知っていくうちに、男の子は普段から料理はよくするほう、チーズは嫌いで生まれた時から乳製品は食べられないこと、飲みに対する執念は人一倍、オーラはレインボーでインフルエンザ菌を引き付けたことがないことを知り、料理ができる女になる!と決意。タバコを吸う人は嫌いだけど、タバコを私に配慮しながら吸うあなたは嫌いになれず。目の前に座って話していた時の記憶は鮮明にあって、毎日私の一目惚れは正解だったと思い出に浸って、にやけて、落ち込む繰り返しで。それから2ヶ月蟹座の季節、女の子の得意料理はチキン南蛮。チキンラーメンを聞き間違えてチキン南蛮を注文するあなたに、私もチキン南蛮食べたい!と勢いよく言うと、笑って顔を上げたあなたと目があったあの瞬間はやけに長くて。乳製品アレルギーの人でも食べられる誕生日ケーキを作り、電車に揺られて30分。駅について思うことは、あの人は少し彼に似ているな、彼もあんな服を持っていたな。部活帰りの忙しいあなたになんとか届けた。フレンドリーでシャイなあなたの感想は、‘この味がいいね’。サラダみたいにいろんな気持ちが入れ混じったこの日はサラダ記念日。
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